皮膚疾患

ワンちゃんの皮膚病について

皮膚疾患

ワンちゃんの皮膚病の多くは痒みを長期的に伴うため、日常的に悩まれている飼い主様も沢山いらっしゃるかと思います。生活の質(QOL)のためにも早めに痒みを止めてあげたいものですよね。
皮膚病には様々な原因があり、主要なものを大きく分類すると
・感染症性皮膚炎
・アレルギー性皮膚炎
・アトピー性皮膚炎
・ホルモン疾患
などが挙げられます。
今回は、その中で発症率の高い感染症性皮膚炎の一種である膿皮症について詳しくご紹介させていただきます。

膿皮症

原因
皮膚の常在菌であるブドウ球菌が増加することによって生じる感染症性皮膚炎の一つです。皮膚のバリア機能の低下によって生じます。しかし、食物アレルギーやアトピーなどが背景に隠れているケースもあります。
また、ブドウ球菌は高温多湿な環境で増加する傾向があるため、夏場で皮膚のトラブルが多くなります。

症状
皮膚に膿疱(膿がたまった膨らみ)や痂皮(かさぶた)が見られ、痒みを伴います。また、一部分だけでなく、全身に広がることもあります。

診断
症状から膿皮症を強く疑うことができ、他の感染症性皮膚炎(寄生虫など)を除外することで診断します。

治療(抗菌治療法)
抗菌療法には外用療法と全身療法があり、病態に合わせて使い分けます。
症状が無くなった後も1週間継続して治療を行います。
正しい抗菌剤を使用する為に細菌の培養検査を行うこともあります。

フード
皮膚のバリア機能を高めてくれるフードがでていますのでご相談ください。

スキンケア
自宅でできる膿皮症の最も重要な治療方法は定期的で正しいシャンプーの実施です。症状の強い時には週に2~3回のシャンプーが推奨されます。
シャンプー剤がワンちゃんの皮膚の状態により異なりますのでご相談ください。

スキンケアシャンプーのやり方

膿皮症に限らず、痒みを伴うワンちゃんの皮膚病では正しいシャンプーを行うことによって症状の緩和が見られます。
今回は効果的なシャンプーの仕方をご紹介させていただきますので是非ご自宅でチャレンジしてみてください。

水をなじませる
30~35度程度のぬるま湯で全身の肌をよく濡らし、大まかに皮膚についた汚れを洗い流した後、水を全体になじませます。

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シャンプー剤の浸透
しっかり泡立てたシャンプーを、肌を擦らずにマッサージするように全身の肌に付着させます。この時、一番皮膚の状態の悪いところから洗っていき、シャンプーの接触時間を長く(5分以上)することが重要です。

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水洗
30~35度程度のぬるま湯で全身の肌をよく洗い流します。

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乾燥
乾燥時にはドライヤーの風を強く押し付けないように、タオルドライのみにするか冬場であればタオルの上から優しく風を当てるようにしてあげて下さい。皮膚の表面温度をあげすぎると痒みが増すことになりますのでご注意ください。

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コンディショナー
ワンちゃんの皮膚の状態によっては必要な場合があります。

皮膚病の多くは飼い主様のご協力が不可欠になります。
私たちもお手伝い致しますので一緒に頑張っていきましょう。